四角いG-SHOCKの4つのボタン(A/B/C/D)は、初代から電波ソーラーまで、時代によって役割が少しずつ変わってきました。
ライトボタンの位置、左上ボタンの凹み、RECEIVE表示の意味など、見た目は同じでも操作感が違う理由があります。
- 「左上が押しにくい(凹んでる)けど不良?」と困っている
- DW-5600E と GW-M5610(電波ソーラー)で、ライトボタンの位置が違って混乱している
- 90年代〜2000年代の個体も含め、ボタンの役割が機種で違う理由を知りたい
G-SHOCKの古参ファンならば4つのボタンの機能が時代とともに変化してきたことをご存知だと思います。
この記事では、そうした違いを「時代差」という視点から、初代モデルから最新世代まで順番に整理します。
※この記事では混乱を避けるため、ボタン呼称を先に固定します。
- A=左上(UL)
- B=右上(UR)
- C=左下(LL)
- D=右下(LR)
なお、CASIO公式マニュアル内の “A/B/C/D” 表記はモジュールによって割り当てが異なる場合があります。
そこで、この本文では原則として「左上/右上/左下/右下」で統一し、CASIO公式の「上右ボタン」「下左ボタン」等の表現と矛盾しない形で説明します。
この記事では、
初代G-SHOCK → DW-5600 → GW-M5610 → GMW-B5000D → GMW-BZ5000D
という流れで、
「4つのボタンが“なぜその配置・役割になったのか”」を時代順に解説します。
この記事の結論
四角いG-SHOCKのボタン役割は大枠は似ていますが、ライトボタンの位置と、右下ボタンの意味(START/STOPかRECEIVEか等)が世代で変わります。
そして、一番確実なのは、裏蓋のモジュール番号で判断することです。
CASIO公式もモジュール番号検索を案内しています。
またDW-5600E系でよく言われる「左上が凹んで押しにくい」は、個体差もありつつも、”誤操作防止の設計意図”が真相です。
ネット上では
「左上=A、右上=B、左下=C、右下=D」
と覚える解説をよく見かけますが、この覚え方は一部のモデルでしか正しくありません。
モデルや時代によって、A/B/C/Dの意味そのものが入れ替わるからです。
まずは結論:ボタンの役割は「モデル名」より「モジュール番号」で決まる

同じ「DW-5600xxx」という名前が付いていても、内部のモジュール(基板番号)が違えば、操作体系は別物です。
年代や見た目で判断するより、モジュールを確認するのが最短ルートです。
モジュール番号の見つけ方
モジュール番号は、以下のいずれかで確認できます。
- 裏蓋(ケースバック)に刻印されている
- 取扱説明書の表紙・最初のページ
- カシオ公式サイトの「取扱説明書検索」で型番から逆引き
この モジュール番号こそが、ボタン操作を決める設計図 です。
年代や見た目より、まずモジュールを確認する。
これが、四角いG-SHOCKを理解する最短ルートです。
説明書を無くした方や、設定方法が分からなくなった方は次の方法で説明書が見られます。
CASIO腕時計の裏蓋に四角で囲まれた3桁または4桁の番号があります。
カシオの説明書ページでこの番号を入れることで説明書を見ることができます。

同じDW-5600でも「ライトのボタン」が違うことがある理由
多くの人が最初に戸惑うのが、ライトの位置です。
- 右下で光る個体
- 右上で光る個体
これは明確に 「時代(=モジュール設計思想)」の違い です。
- 電池式・クラシック世代 → ライトはD(右下)が主流
- 電波ソーラー世代以降 → ライトはB(右上)が主流
この違いが生まれた理由は、「時計に何を一番させたいか」 が変わったからです。
電池式の時代はライトが“分かりやすい主役”でしたが、電波ソーラーになると「受信」が前提になり、ボタンの優先順位が入れ替わっていきます。
第1章|初代G-SHOCK(DW-5000C / DW-5600C)
「4ボタン操作」という思想の原点
これが初代G-SHOCKです。この時から4ボタンの基本思想はすでに完成しています。

1983年の初代G-SHOCK(DW-5000C)で確立されたのが、「4つの物理ボタンですべてを操作する」 という思想です。
初代カラーモデル、いわゆる「赤枠」は人気が高く、現在でも初代カラーモデルとしていくつか発売されています。
しかし、パット見でボタンの位置が異なることが分かります。
5600の初代カラーモデルがこちらDW-5600RLです。モジュール番号は3525です。

「忠実に」初代カラーモデルを復刻したモデルがこちらDW-5000R。(モジュール3576)

よーーーーく見てください。ここで注目したいのが「ライトボタンの位置」です。
違いがわかりますか?

初代モデルは右上、5600モデルは右下という違いが見えます。
確かに初代は右上だったのですが、このあとの5600系は長く主流だったため、
古参のG-SHOCKファンは逆に「右下がライト」と認識していることが多いのです。
CASIOの公式説明書でも、ライトボタンの位置が異なることが分かります。


初代世代の基本思想
初代は4ボタン思想を確立したモデルです。
- デジタル時計として必要十分な操作を4ボタンに集約
- 誤操作防止のため、設定系ボタンは強く・深く押させる
- ライトは“補助機能”で、主役ではない
というのも、CASIOの時計は「3ボタン」も多く(例:F-91W)、「4ボタンある」のは豪華装備にも感じられました。

ボタン役割(初代系・代表的パターン)
1983年に誕生した初代G-SHOCKは、
「とにかく壊れない時計を作る」という一点にすべてが集約されていました。
この時代の思想は非常にシンプルです。
- 操作は最小限
- 誤操作は極力させない
- ライトは補助機能

- A(左上):調整・設定開始(このボタンが最初から凹んでいるのが最大の特徴)
- B(右上):ライト・ON/OFF系
- C(左下):モード切替
- D(右下):スタート/ストップ(機能兼用)
この時代は「ライト=専用ボタン」という発想がまだ弱い時代でした。
後の世代のような「ライト専用ボタン」は、まだ確立していません。
第2章|DW-5600系(電池式の完成形)

90年代以降、四角いG-SHOCKの“基準”になったのがDW-5600系です。
特にDW-5600Eは、現在も世界的なロングセラーです。
この世代で、操作体系が一気に整理されます。
DW-5600 / DW-5600E(モジュール3229系)
1990年代以降、四角いG-SHOCKの“標準形”として確立したのが DW-5600系。
ロングセラーの DW-5600E がこの系譜です。
このDW-5600Eで「四角いG-SHOCKは完成した」と言えます。モジュール番号は3229です。

今は後継機でLED化したDW-5600UEが発売されています。こちらのモジュール番号は3525です。

この世代で起きた大きな変化
- ライト専用ボタンが明確化
(豆球ではなく、当時はELバックライトであるということを売りにしたかった意図もあったのでは、と個人的に推測します。) - 操作系と視認系の役割分担がはっきりする
- 誤操作防止思想がより強化される
ボタン割り当て(DW-5600E / 3229系)
- A(左上):ADJUST(設定開始)→ 他ボタンより 凹んでいる(押しにくい)
- B(右上):補助操作(モードにより変化)
- C(左下):MODE(モード切替)
- D(右下):LIGHT(ライト点灯)
左上ボタンが凹んでいる理由
DW-5600Eを触った人の多くが気づくのが、
「左上だけ押しにくい」
という点です。
これは不良ではありません。「設定に簡単に入らせない」ための公式仕様です。
- 日常使用で設定モードに入らせない
- 事故(誤操作)を防ぐ
つまりこの世代では、押しやすさより安全性が優先 されています。
日常操作はC・D中心、設定だけAを“意識して”押す、という思想が徹底されています。
この世代の“覚え方”
- モード切替は左下
- ライトは右下
- 設定は左上(押しにくい)
この感覚は、電池式5600を使う限り、ほぼ裏切られません。
個人的な感覚ですが正直「右下のライトボタンが一番押しやすい」と感じます。
第3章|電波ソーラー革命 GW-M5610U モジュール番号3495

ライトボタンは右下。
そんな長年の常識が破られる時が来ます。
それは「電波ソーラー時計の登場」です。
GW-M5610(モジュール3159)
ここで四角いG-SHOCKの操作思想は大きく変わります。
「正確な時刻を自動で受信する」 という前提が加わったためです。
一番押しやすい右下には「時刻合わせ」のボタンが設置されることになり、
ライトボタンは再び初代以来の右上に戻ります。

電波受信という新しい主役
GW-M5610では、
- 自動受信
- 手動受信
- 受信日時の確認
という“受信操作” が、日常操作の中心に入ってきます。
電波時計であることを前面に出したい、という意図も見えます。
その結果、ボタンの役割が再編されました。
最大の変化点
- RECEIVE(受信)という概念がボタンに割り当てられる
- ライトボタンの位置が入れ替わる
ボタン役割(GW-M5610 / 3159系)
- A(左上):設定開始・調整
- B(右上):LIGHT(ライト点灯)
- C(左下):MODE(モード切替)
- D(右下):RECEIVE関連(受信日時表示・長押しで手動受信)
なぜライトがBに移動したのか
理由はシンプルです。電波受信では「受信状態の確認」や「手動受信」を行うため、Dボタンの重要度が上がりました。
Dを受信専用に寄せライトをBに回すことで、受信操作を確実にし、誤操作も減らす狙いがあります。
この世代を境に、
「ライト=右下」という常識は完全に崩れます。
第4章|フルメタル時代の基準点 GMW-B5000D モジュール番号3459

2018年、フルメタルG-SHOCKの本流を作ったモデルがGMW-B5000Dです。
売上・人気・中古相場すべてが安定しているのも強みです。
GMW-B5000D(Bluetooth × 電波ソーラー)

操作思想
ボタン配置の考え方(B=ライト、受信系の導線など)はGW-M5610に近い一方で、GMW-B5000Dはフルメタル用の別モジュール(3459)で動いています。Bluetooth連携により『時計単体で完結しない』設計へ進みます。
ボタン役割(GMW-B5000D)
- A:調整・リンク設定
- B:LIGHT
- C:MODE
- D:RECEIVE / Bluetooth関連
実運用のポイント
時刻合わせはアプリ任せになりやすく、ボタン操作は「ライト」「モード切替」「受信確認」に集約されます。
つまり物理ボタンの役割は軽くなり、時計は“最小限のUI”として成立する方向へ進みます。
第5章|最新世代 GMW-BZ5000D モジュール番号3575

GMW-BZ5000Dと「ボタンの終着点」
最新世代では、
「どのボタンで何をするか」より、
「そもそもボタンで何をする必要があるか」
が問われています。
- 基本操作はアプリ
- 時計単体では確認・補助のみ
4ボタンという思想は残しつつ、役割は限界まで削ぎ落とされた 状態です。
GMW-BZ5000D(最新モジュール3575)

GMW-B5000Dの発展系で、最新モジュール・最新UI思想 を反映したモデルです。
ボタン役割はフルメタル基本形を踏襲しつつ、表示や反応が進化し、物理ボタン操作の頻度はさらに下がっていきます。
この世代では
「どのボタンで何をするか」より
「どの操作を時計単体でやるか」
が重要になります。
物理ボタンは、もはや“最小限のUI”になりやすいです。
90年代・2000年代の違いをどう安全に説明するか
ここで重要なのは、
年代で断言しないこと です。
同じ年代でも、
- 電池式
- ソーラー
- 電波あり/なし
が混在しています。
安全な整理方法はシンプルです。
- モジュール番号を確認
- 公式取扱説明書の「各部の名称」「操作のしくみ」で確認
これだけで、ネットの誤情報は避けられます。
まとめ|4つのボタンは「進化の痕跡」
- 初代:最低限の入力装置
- DW-5600:安全性重視・ライト専用化
- GW-M5610:受信中心の再配置
- フルメタル以降:物理操作の縮小
四角いG-SHOCKの4ボタンは、時代ごとの最適解の積み重ね です。
「押しにくい」「分かりにくい」と感じた瞬間こそ、
その時計が作られた 時代と思想 を思い出してみてください。
それが、四角いG-SHOCKを一段深く楽しむコツです。
今回は、ライト位置・凹み・RECEIVEの違いを、時代順に整理しました。





